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君は、バカルー・バンザイを知っているか!?

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はじめに

レディプレイヤーワンが映画館で絶賛公開中です。(*書きだしたときはそうだったの。そういうことにして、そういうつもりでお読みください)僕らが大好きなものがふんだんに詰め込まれた映画を、きっと皆さんも楽しまれたと思います。そして、大好きなものが扱われているからこそ、この映画に抱く疑問やら不満点も出てくるはずで、事実SNSではガンダム出撃のセリフや、80sカルチャーの必然性、あるいはVR世界の意味付けなどが話題に上っているようです。  

 ガンダム以外にも主人公が愛車にしている「デロリアン」を始め、引用されたキャラクターやネタ、情景の意味合いについても考察が交わされているかと思います。 僕個人としては映画「シャイニング」のロケーションがVR世界で再現されたのが最も興奮しましたが、それ以上にストーリー上、そして主人公らのキャラクター性を窺い知る上で重要な作品が存在します。そしてそれは日本ではとてもマイナーな作品です。ご覧になられた方は覚えていらっしゃいませんでしょうか?そしてそのキャラクターをご存知だったでしょうか?そう、「バカルー・バンザイ」を。 

バカルー・バンザイは、レディプレイヤー1の劇中で主人公がVR空間のダンスパーティに出かけるときに選ぶ扮装として登場します。行ってしまえばそれだけのシーンで出てくる数多くのモチーフの中の一つにすぎないわけですが、それを選ぶ際作中の登場人物がバカルーバンザイに対して、独特な反応をしている点においてほかの引用作品と一線を画しますし、その位置づけは、やはりバカルー・バンザイを知っている人に向けてのファン・サービスというか、オタクの内輪ネタのような意味合いを持っているといえるでしょう。なぜなら、日本の観客にとっては無名の(実際ビデオスルー)作品であっても、海外では一種のカルト映画であるからです… 

バカルー・バンザイは1984年公開、ピーター・ウェラー主演のSF映画で、日本ではビデオスルーになりました。「バカルー・バンザイの八次元ギャラクシー」などというふざけた題名は、いかにもビデオスルーされそうな奇怪なひびきを感じさせます。まあ、もっともそれだけをもってこの映画に興味を持っていただけるような好事家(こうずか)の諸兄はさておき、多くの人にとってはまあ「得体のしれない映画」に過ぎないでしょうが… 

では、具体的にどんな映画かを紹介したいと思います。 

 

 

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「バカルー・バンザイの八次元ギャラクシー」を彩る魅力的なキャラクター達 

タイトルにもある彼の説明なくしてこの映画は説明できないといえましょう。まずは登場人物を紹介します。 

……いかれたメンバー紹介するぜ! 

 

現代のルネサンスマン、トップ神経外科医、粒子物理学者、レースカードライバー、ロックスター、そしてコミックの主人公である、ピーター・ウェラー演ずるバカルー・バンザイ!彼は物腰柔らかなヒーローであり、彼の新技術の実験が第八次元への扉を開き、気づかぬうちに異星人との戦いに巻き込まれてしまう!。 

エミリオ・リザルド / ロード・ジョン・ウォルヒン博士はジョン・リスゴー。ジョン・ウォルヒンは、暴力的なレッド・レクトロイドの追放されたリーダー。ブラック・レクトロイドは彼を「地球のヒトラーと似ている」と表現します。 

 ペニー・プリディ役としてエレン・バーキン。バーで出会った彼女はバカルーの死んだ妻、ペギーの双子の妹であることが判明します。  

香港騎士団 

香港騎士団は、映画の中でバンザイの主な助手であり、いくつかの類似性をドッグ・サヴェージ ー1930年代のパルプフィクションのひとつ―のファビュラス・ファイブから見いだせます。

彼らは、ニュージャージー州のHolland Townshipにあるシンクタンクのバンザイ研究所”Banzai Institute"にある。彼らは様々な分野の学際的な科学者であることに加えて、バカルー・バンザイのロックバンドのメンバーでもある。かれらはすべてコード名またはニックネームで呼ばれ、ニュージャージーを除き、実際の名前は内緒。 

クランシー・ブラウン演ずるローハイドは、バカルー・バンザイの補佐役。バンドではピアノを演奏する。作中、彼はレッド・レクトロイドの毒針によって斃れたように見えたが、「ピンキー・カールーサーズ」のDVDコメンタリで語ったところ、治療法が見つかるまで休眠状態にあっただけだという。  

リノ・ネバダペペ・セルナが演じる。サクソフォンを演奏。リノは、バカルー・バンザイの仲間のひとりであるペコスという女性と恋愛関係にある。(彼女は小説でチベットにいると話題に上るが、映画には登場しない)。 

 リズム・ギターを演奏するパーフェクト・トミー、演じるのはルイス・スミス、彼は皆に認められる完璧な男です。彼は、ジェットカーのサスペンションシステムを設計しました。これは、超音速でさえ地面に接し続けることができる 技術でした。。

シドニー・ツヴァイベル博士 /ニュージャージージェフ・ゴールドブラム。コロンビア出身のバカルー・バンザイの同僚で神経外科医。彼はちょっとばかし歌い、踊り、ピアノを演奏する。彼はキャバリアーズのルーキーで、映画の冒頭でチームに加わった。  

バカルー・バンザイのブルー・ブレイズ・イレギュラーズのひとりでもあるピンキー・カルーサーズはビリー・ベラが演じる。ベースギターを演奏します。 

  

その他のバカルー・バンザイの取り巻き 

 香港騎士団に加えて、バンザイは、シャーロック・ホームズのベイカー・ストリート・イレギュラーズのような、多才なサポーターとファンのネットワークによって支援されています。 

レーダー・レンジャースは、バカルー・バンザイが脅威を追跡する際ー協力するアマチュア無線愛好家グループ。 

ブルー・ブレイズ・イレギュラーズは老若男女、様々な方法で助けてくれるメンバーがそろっています。組織には、攻撃チームが含まれていて、作中に登場するラグ・サッカーは、普段はラグ・クリーニング会社を運営する、武装民間人のチームで、電話で連絡を受けてバカルー・バンザイを助けに行きます。

 

 

わけがわからないでしょう?僕もそう思います。これだけ主人公が万能な作品を、僕はほかに見たことが…いや、それは探せばあるかもしれませんが、主人公に異常なほど多くの属性と設定が詰め込まれている野に関しては皆さん異論がないと思います。 

まあ、さらに実際のところこの映画がカルト映画となっている理由も、この映画に登場するキャストたちの豪華さによるものというのも強いというのが実際のところであります。すでにお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、ピーター・ウェラーはご存知ロボコップを演じたので有名な役者さんですし、クリストファー・ロイドはBTTFのエメット・ブラウン、ジェフ・ゴールドブラムジュラシックパークやID4などでおなじみの顔です。もっといえば、この映画は1984年の公開で、彼らがそういった代表作に出演してメジャーとなる以前に、偶然にもこの奇天烈なSF映画にそろって出演していた、というのがマニアにとってはうれしい点でしょうか。リザルド博士を演ずるジョン・リスゴーも、公開年には他に「2010年」「フットルース」などの話題作に出演しており、そこでシリアスな活躍をした裏でマッド・サイエンティストを演じている、というのも愉快な話です。 

そして、確かに映画の中でキャラクターたちはこれらの属性をもってして活躍しますが、その奇想天外で盛りだくさんな設定から想定されるような、はちゃめちゃな展開というわけではありません。「バカルー・バンザイの八次元ギャラクシー」の作風は、スラップスティック・コメディ的なものではなく、存外堅実なSFドラマなのです… 

おふざけのシーンがすくない、というだけであって、別段ハード・SFを志向しているようにも見えないのが奇妙なところですが、ふざけた登場人物たちがストーリーにはまじめに取り組む、そんな不思議な味を味わうことができる、なんて言ってみることも可能だとは思います。 

さて、改めてストーリーを紹介します。日本語版ウィキペディアにも簡単な紹介が書かれていますが、ここでは異常なほどの情報量を誇る英語版ウィキペディアの翻訳を載せたいと思います。 

 

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ストーリー

バカルー・バンザイと彼の師匠ヒキタは、固体を通過させるための装置である「振動オーバースラスタ」を完成させました。バカル―は自らジェットカーを駆り山へむかってテスト実施します。その中で、バンザイは山の中に異次元の空間を発見、山を抜けてもとの世界に戻った彼は、自分の車に付着した異次元の外来生物に気付きます。

バンザイの成功のニュースは、現時点でトレントン・ホーム・オブ・ザ・クリニック・インサイド(精神病院)で収容されているエミリオ・リザルド博士の耳にも届いたのでした。かつてリザルドとヒキタは1938年、プロトタイプのオーバートラスタを作ったが、リザルドは十分な準備が整う前にそれをテストしてしまい、彼は異空間に上半身だけ突っ込んでしまう。彼はその後救出されたが、異次元にもまれ狂ってしまったという過去を持っていました。バカル―の成功を知ったリザルドは脱走します。

バンザイと香港騎士団はナイトクラブで演奏に向かいます。そこでバンザイは聴衆の中で落ち込んで自殺しようとしている女性のペニー・プリディを見かけ、それまでのスケジュールを中断して彼女のために演奏をします。しかし、そこで彼女はピストル自殺未遂を図ってしまい、それをバンザイの暗殺の試み見られて、警察に逮捕されてしまうのでした。

バンザイは彼女を留置所に助けに行きますが、そこで彼女はかつてのバンザイの妻の双子の姉妹であることが判明したのでした。

その後、バンザイは、彼のロケット・カー体験、オーバー・スラスタ、そして彼が第八次元を旅しながら得たエイリアンの標本についての記者会見を行いますが、奇妙な男たちがそこに乱入して会見は中断、ヒキタ博士を連れ去ってしまうのでした。

未知の源からの電気ショックを受けたバンザイはその男たちを爬虫類型ヒューマノイドとみやぶれるようになりました。奇妙な男たちを追いかける中、ペニーはヒキタが捕まる間際にスラスターを託されるのでした。

バンザイと香港騎士団が次に何をすべきかを計画しているところに、現在地球軌道上にある、第十惑星から来た異星人ブラック・レクトロイドのリーダーであるジョン・エムダルのメッセンジャー、ジョン・パーカーがやってきます。レゲエやってそうな黒人に見えますが、彼も実態はエイリアンです。エムダルの話では、彼らブラック・レクトロイドは敵対的なレッド・レクトロイドとの長年の戦いの中で、それを第8次元に封じ込めていたといいます。レッド・レクトロイドのリーダーであるジョン・ウォーフィンは、1938年のリザルドの実験の際、彼の心に入り込み、何十人もの人々を八次元から脱走させたのでした。

そして、バンザイがオーバートラスタを完成させたので、エムダルはウォーフィンと彼のシンパが他のレッド・レクトロイドを解放するためにそれを奪い取ろうとする懸念を話したのでした。バンザイに、レクトロイドの正体が見破ることのできるショックを与えたのはエムダルだったのです。

ウォルヒンとレッド・レクトロイドを止めない限り、彼らは地球爆発を起こして、地球もろとも消滅させる第三次世界大戦を始めるとブラック・レクトロイドは脅します。香港騎士団はレッドレクトロイドを追跡して、彼らの偽装会社ヨーヨーダイン社”Yoyodyne Propulsion Systems”が、ニュージャージー州で1938年に起業したことが、オーソン・ウェルズ宇宙戦争騒ぎの真相と知ります。ヨーヨーダイン社は、新しい米空軍の爆撃機製造という名目の偽装の下、8次元へと横断する宇宙船を建設していたのでした。

レッド・レクトロイドはバンザイの本部に侵入し、ペニーを誘拐し、彼女はバンザイの仲間の一人を昏倒させます。バンザイとキャバリアーズは、仲間たちを集め、ヨーヨーダイン社でウォルヒンと対峙するとともに、米国大統領に核戦争を避けるよう警告します。

ヨーヨーダイン社では、オーバートラスタがどこにあるかをレッド・レクトロイドに伝えることを拒んだペニーを拷問し始めていました。ペニーは負傷して気絶しますが、バンザイが到着し、レッド・レクトロイドを追い払います。

キャバリアーズは彼女を救出する一方、バンザイとパーカーはレッド・レクトロイドの宇宙船のポッドに潜入します。ウォルフィンはバンザイのオーバースラスタがないと、実験は未完成に終わると主張、宇宙船は、次元の遷移に失敗し、代わりにヨーヨーダインの壁を突破し、大気圏外へ飛び出します。バンザイとパーカーは、ポッドをマザーシップから分離し、その武器システムを使ってウォルフィンと他のすべてのレッド・レクトロイドを破壊します。パーカーは自らの母船に帰り、バンザイはパラシュートで地球に帰還したのでした。

問題は解決し、、戦争が回避されたが、バンザイを待っていたのは昏睡状態のペニーでした。しかし、バンザイが彼女にキスすると、エムダルはバンザイにもう一度ショックを授け、ペニーを復活させたのでした。 

 

 

さあ、映画の内容に関してはずいぶんわかっていただけたかと思います。わからない?そういうこともあると思います。別に僕の説明や訳(ぎこちない!)の仕方が悪いかっていうとそうかもしれませんがそうでないかもしれません。内容がないようですから。(?)映画に関して興味を持たれた方がいたなら、やはり百聞は一見に如かず、見てみることをお勧めします。案外複雑でしばしば深刻なストーリーでありながら、ちょっぴりお気楽で気の抜けた雰囲気もまとっている妙味があります。 

 

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(ぼくの)この映画の感想と感情

で、改めて僕個人がこの映画に関して思っていることですが。豪華キャスト(…というよりも後にSF映画で評判になる濃い顔ぶれ、といってもいいかもしれませんが…)が、いかにも80年代然としたSFガジェットに囲まれ、そしてまた今の感覚とはすこしズレたような、80s的なユルいストーリーを描いていく、というのはこの映画だけの味わいだと思いますし、バカルーたちの活躍はきっと同時代のそれこそBTTFだとか、ロボコップだとかのような有名なタイトルとも少し違った生暖かい感覚を抱かせてくれるといえるでしょう。特撮やメカニックは決してチープではない本作ですが、80sの有名、A級タイトルにはなれない様な半端さがあります。人によってはそれが感性に直撃する方もいるかもしれませんし、そのある種のキッチュさが愛おしく感じられる方もいるでしょう。まあ変な映画だな、ということも否定できませんが。 

 

レディ・プレイヤー1の話に戻ります。、実際のところこの「バカルー・バンザイの八次元ギャラクシー」がレディ・プレイヤー1に登場したというのは、つまり80sのカルト・SF映画のコスチュームを着ていく主人公と、それをみて彼のセンスをほめるような口ぶりをするヒロイン、というシーンを撮ったのは、そこから彼らの少しハズしたような映画の話をして喜ぶ、やはり一般人とは違うオタク、ギーク的なズレかたを演出する意図があったのではないか、と僕は考えているのです。まあ、実際のところ先ほど触れた”英語版ウィキペディアの異常な情報量”からわかるように、海の向こうではずいぶん人気があるようで、それは日本人の私たちには完全に味わうことはできない感覚、なのかもしれませんが… 

 

なお、書くうえでこの文も英語版ウィキペディアの記事を参考にし、訳し引用したりもしたわけですが、参考に閲覧した当時(五月中旬)と現在では内容が異なっているようです。というか適当に機械翻訳をブラッシュアップしようとしたら原文がどっかに行ってしまったりして半端な訳になっているんですが(少しずつ訂正するかも)…説明文が大きく変わるほどの編集がされたのには驚きましたが、それもまた本作の海外での人気を証明しているもしれません。んまあ、そんな英語版ウィキペディアを本編鑑賞後に閲覧してみるのも面白いと思うので、直接原文を読むことをお勧めします。 

 

ここまで読んでくれた方はどうもありがとう、バカルーバンザイ観てね。