えいが その1
ツイッターで挙げた好きな映画を列挙していきます
ピカソの冒険
このごろハヤリのスウェーデン映画。とはいってもHasse och Tageっていうコメディアンによるスラップスティックでナンセンスなコメディなので、世に知られているスウェーデン映画とは毛色が違うかもしれない。
これを鑑賞したときはあまりの面白さにのけぞり、映画館で声を出して爆笑をし続けてしまった。その時居合わせた人、迷惑だったらごめんなさい。この映画はソフト化に恵まれず、その時鑑賞したのが最初で最後となってしまっているけれど、この映画は私のオールタイム・ベストのひとつになった。ここまでおかしな映画があるとは知らなかったし、映画が特に意味のないバカバカしさ100%で構成されているということは、とにかくとてつもない衝撃を受けたのだ。
スウェーデン人がスペイン人であるピカソの伝記映画を撮る!という建前で、実際にはナンセンスなドタバタ劇ーそれも、セリフがすべて意味のない言葉、あえて言うなら偽スペイン語で構成されているので、本当に意味がないのだ!―が描かれる。こればっかりは実際に見て、雰囲気をつかんでもらうことが一番いいと考えるため、youtubeに上がっているワンシーンを紹介する。全編がこうした意味のないやり取りで構成され、それがピカソの生涯に沿って組み立てられていくような具合だ。
デモンズ
1985年公開のゾンビ映画。ダリオ・アルジェント製作。ランベルト・バーヴァ監督。
ダリオ・アルジェントはジョージ・A・ロメロの「ゾンビ」の製作に携わっていることでも知られるが、この映画はロメロゾンビ関係なしの傍流映画である。ロメロゾンビとは特に関係はない。もはや定番となってしまったが、この映画のゾンビはクトゥルフ神話系であり、走ったりゲロを吐いたりする。そして悪魔の呪いであるから引っかかれたら数分としないうちにゾンビ化する。
アルジェントは「サスペリア」を始めとしたスプラッター映画で有名であり、彼の監督作品では強烈なショックシーンやハイテンションなロックのサウンドトラックが代名詞となっている。この映画も、アルジェント本人ではなく、別のホラー監督であるランベルト・バーヴァ作ではあるが、強くアルジェントのテイストが出ていると思う。
アルジェントの映画は、ショックシーンは強烈で素晴らしいものの、シナリオに関しては破綻しているだとか、唐突すぎるであるとか、そういった評価が多い。しかし映画というものは物語以前に映像体験なのだから、画面で強烈に魅力的な光景が描かれていたら、物語というものは忘れて映画に没頭してしまえるものなのだ。この映画「デモンズ」も、序盤こそゾンビ映画を上映する映画館でゾンビが発生するというサスペンス的要素があるが、中盤からはそうした伏線をほっぽり出したゾンビ祭りが始まる。だがそれでいいのだ(バカボンのパパ)。シンセサイザーやエレキギターで奏でられるクールなサントラとともにゾンビが突っ込んでくれば、私は満足なのだ。そういった意味でこの映画もまた、私にとって思い入れのある映画の一本である。
これは正直ソースが取れないので眉唾ではあるのだけれど、アルジェントは次のような名言を残している。
「つまらない映画など存在しない。どんな映画にもひときわ輝くワンカットが存在する」
なるほどそうかもしれない。シナリオの整合性よりも、画面の楽しさを優先する、そんな映画があってもいいかもしれないと思わされる。そんなアルジェントの考え方がゾンビ映画と合わさった今作が僕は大好きである。
シナリオの整合性よりもアクションや描きたいシーンを優先するというのは、先に述べた「ピカソの冒険」にも共通していると思う。或いは、チャック・ノリスの「地獄のコマンド」も細切れのアクションシーンのつながりだと評していた人がいたと思う。
シナリオで魅せる映画もいいが、しっちゃかめっちゃかおもしろいシーンが詰め込まれた映画も悪くないな、と思うアフガン航空相模なのでした
ひとまず今回は終わり