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エヴァンゲリオンバトルフィールズをやった

 ようやくプレイできるようになったので、エヴァンゲリオンバトルフィールズをプレイした。結論から言うと、思っていたのとはかなりちがったけれど、面白かった。

 PvPビデオゲームの評価は、プレイヤー同士が対戦を繰り返し、戦闘のセオリーなどがおよそ明らかになった段階でやっと定まるものだ、と考えているが、それはそうと最初の手触りは悪くなかったのである。

 そもそも、エヴァンゲリオンバトルフィールズ――公式はEVABFと略しているが、略称が五文字ってどうなのか? は、四月二日にサービス開始したにもかかわらず、ソフトウェアにもろもろの欠陥が見つかり今日までメンテナンスが続いていたゲームだった。

 あの「FateGrandOrder」もサービス開始直後にメンテナンスに突入したように、オンラインゲームの開始直後にメンテナンス地獄が来るのは珍しくないし、そもそもこれまでが死屍累々の道のりであったエヴァゲーであるから、リリースにおいて問題が発生したことに驚きはなかった。むしろ納得した。

 ただまあ、サービス延期をくり返した挙句の長期メンテナンスという難産さを見ていると、ゲームの出来が心配に覚えてくる部分はあった。そうした不安はひとまず解消されたかな、と僕は感じている。

 「バトルフィールズ」という、いかにもFPSのシリーズを連想させるタイトルや、3Dのキャラクターが鉄砲を撃ち合う光景から、僕はてっきり今流行のTPSシューターが来るのかと思っていた。実際、新劇場版破公開当時に出た「ヱヴァンゲリヲン:序」はTPSゲームだったし。

 しかし違った。よくよく考えてみれば1vs1のゲームでTPSというのはあまりにも淡白であるし、反射神経等の能力に勝敗が如実に左右されてしまう。であるから、コマンド選択と3Dフィールドでの攻防を組み合わせたゲームデザインは、(ルートボックスをうまく組み込む方法として考えても)なるほどよく考えられているな、と感心した。こういうの、RTSに含めて良いのかな?

 残念ながらTPSゲームのようにフィールドを自由に駆け巡れるわけではなく、プレイヤーは相撲のように相手を見つめあいながら攻撃をかわし、行動のコストをためることに終始することになる。そして、コストをためつつランダムに割り当てられる銃器を使って攻撃する。

 銃器には3Dフィールド上で当てやすかったり、体力を大きく削れたり、コストが低く乱射出来たり、種類ごとに個性がある。また、およそランダムに武器が割り振られるので、特定の武器偏重になることもない。単調な射撃戦になりかねないシステムを、うまく調整できているかな、と感じた。

 空想科学のロボットというのはチャンバラというか、ヒロイックな近接戦をしてナンボなものだ。それはエヴァにおいてもかわらない。

 しかし、ゲームでプレイヤーが合理的な判断の元にロボットを繰るとき、必ずしもハイリスクな近接戦闘は最適解ではない。ロボットゲームは長年この問題について取り組んでいるといっても過言ではないのではないだろうか(しらんけど・・・)

 その点バトルフィールズは、近接戦闘によりコマンド選択的な、たとえるならばジャンケン的な要素を取り入れており、実際に射撃のスタイルを投げ打って仕掛けるほどの魅力があるかどうかはともかく、魅力的な近接戦闘のシステムができていると思う。エヴァンゲリオンはATフィールドをもってるんだから、それをナイフでガシガシ破るのは、やっぱり楽しいのだ。

 スマートフォンのいわゆるソシャゲーのフォーマットにのっとり作られた本作は、各種の機体や、キャラクターやサポートキャラをルートボックスで手に入れてゲームを進めることになる。ガチャ産の強い武装や強いサポート使ったほうが強い。これは純粋なゲームとして考えると微妙な点である。しかしこのあたりは「スマホゲー」だと思って割り切ってもいいんじゃないだろうか。

・・・だが冬月、テメーはダメだ 最近新劇場版でも陰湿さが注目されているが、冬月のサポートスキルは敵プレイヤーの武器コマンドを最弱のハンドガンで固定させる。これが実際どの程度ゲームを有利に進めるのかはイマイチ掴みかねているが、非常に陰湿で冬月らしいな、と思った。

 ちなみに選択肢を最弱のハンドガンで固定させるとはいえ、ハンドガンは手数が多く乱射が効き、必殺技のゲージをためやすい。「勝ったな」などといいながら敵に塩を送ることになる場合もあるから要注意だ。

 アスカと二号機がまだいない!など、ポッカリ開いた穴のようなものもちらほらある本作ではあるが、ここまでの難産を思えばまあ、やってみてもいいかな、続けてみてもいいかな、と思えるクオリティだった。

 そもそも3DCGのキャラクターが結構綺麗なので、それを見るだけで価値があるのだ。ソーシャルゲーム特有の捏造日常会話イベントも、それがエヴァンゲリオンだというだけで、オタクは許してしまうものなのだ。だからまあ、ファンならやってみてもいいんじゃないの、程度の好感度はどうしてももってしまうのである。

 一応最後に、これまでの(コンシューマ)のエヴァゲーをネチネチやってる暇人としては、バトルフィールズがこれまでのエヴァゲーと比べて何が違うのか、いくつか話しておきたいと思う。

 そもそも、2011年に発売された「サウンドインパクト」を最後にエヴァンゲリオンの単体ゲームは途絶えているため、現代の技術でアップデートされたエヴァゲーが遊べるだけでもうけもんである。

 例えば、3Dキャラクターの人形劇によるストーリーテーリングは、「名探偵エヴァンゲリオン」や「ヱヴァンゲリヲン序」などでも既になされているが、やはり技術的に至らない、見ていて不自然な部分も多いものだった。

 特にヱヴァ序は、PS2版も出てるくせにPSPとのマルチタイトルなのでポリゴンがのっぺりしてて、見ていて居た堪れない気分になってしまう。それを思えば、本作のキャラクターのモデリングは十分すぎるほどにクオリティが高いので、その点は評価すべきである。

 また、エヴァゲーにおいて、パイロットが他のエヴァに乗ることが出来る作品はこれまでに大変少なかった。エヴァのコアの設定との兼ね合いもあるだろうが、ゲームでくらいシンジを初号機以外に乗せて遊びたいもんである。

 バトルフィールズは、キャラクターごとに必殺技は固定であるという残念さはあるが、とにかくパイロットを自由に他のエヴァに乗せられるというだけで、かなりファンのアソビの可能性は広がったと思う。

 ところで、これは完全に私見ではあるが、これまでエヴァゲーというのはストーリーテリング、あるいはストーリーメイキングのゲームだった。

 サターンエヴァから鋼鉄にかけて、そのゲームシナリオは「エヴァ本編の第何話と第何話の間にあったかもしれないイフストーリー」という位置づけだった。そして新世紀エヴァンゲリオン2はエヴァンゲリオン本編をプレイヤーの手によって再構築するゲームだった。サウンドインパクトも、音ゲーではあるが究極的には本編の映像を鑑賞するゲームだったといえるだろう。

 そうした「物語を描く」呪縛から、バトルフィールズは抜け出して見せたといえるのではないだろうか。もちろんキャラクターやロケーションごとにイベントは用意されてるが、ゲームの本質はプリミティブな「対戦」である。これまで、バトルオーケストラくらいしか「純ゲーム」してたエヴァゲーはなかったのだ。こうして「エヴァンゲリオンを繰って対戦するプラットフォーム」としてエヴァゲーが出てきたことに、やや新鮮さを感じるのである。

 

―バトルフィールズの本質が「PVP戦闘」であることは明らかなので、文を手直しした今(2020/04/18)あえてこのときの主張を覆すつもりはないが、シナリオを鑑賞する為のシステムが物足りないな、と感じたので、それは次の記事に書いた。良かったら、ついでに読んでいって。

https://aviationsagami.hatenablog.com/entry/2020/04/18/160053

 

 

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